音の大きさを表すときに、用いられる単位です。「デシベル」と呼び、数字が大きくなるほど、大きい音を表します。目安として、私たちの日常の会話が60dBほどの大きさで、雷が近くに落ちた音が130dBほどです。
人間の耳が聞き取れる音のエネルギーを、0dB~140dBで表したものです。音圧レベルはこのdBの数値を表します。10dB違うと、人間の聴覚上では音の大きさが倍(半分)に感じます。
周波数とは、1秒間に「空気の波」が生じた回数を表します。周波数の単位には、1秒間を基準としたHz/ヘルツが用いられ、数字が大きい(小さい)ほど高い(低い)音が聴こえます。可聴帯域とは人間の耳に聞き取れる音の周波数帯のことで、通常20Hz~20000Hz(20KHz)の周波数帯域とされています。
人間の耳に聞こえる、音の高さの範囲です。個人差はありますが、人間が聞くことが出来る音は20Hz~20,000Hzの間です。高齢になるにつれて、聴こえる範囲も狭まります。
日本工業規格(JIS)で規定されている、遮音性能を表す指針です。数値が大きくなるほど、遮音性能が高いことを表します。2000年にD値だったものが、現在はDr値に改定されています。目安として、例えばDr-30であれば、30dBの遮音が可能です。
建築部材の空気音遮断性能を表す単位です。主にパーティションや間仕切り壁の評価に使用されます。数値が大きくなるほど、遮音性能が高いことを表します。目安として、TLD値から5~10差し引いたものが、Dr値になります。
建具(ドアやサッシ)の遮音性能を表す単位です。数値が大きくなるほど、遮音性能が高いことを表します。Dr値と同様に、T値も等級線がありますが、Dr等級線と比べて高音域の設定が少し低く設定されています。目安として、T-3は30dB、T-4は40dBの遮音が可能です。
音が、空気の波に乗って伝わることです。人の話し声や、楽器・スピーカーから発生する音などが該当します。
音が、空気以外に触れることが出来る"モノ(机・床・壁)"を通じて伝わることです。例えば、机や壁をノックするときに出る音です。
剛性材料(硬い素材)で空間を囲った場合、ある特定の周波数の音に対して著しく遮音性能が低下する現象のことです。遮音シートのような柔らかい素材では、この現象は起こりません。
ペアガラスや間仕切り壁のように、2枚の壁が空気層を介して二重構造になっているとき、間の空気層がバネとなり、もう一方の板に音を伝える現象。楽器の太鼓の様な原理と同じことから、「太鼓」現象と呼ばれることもあります。
音が反射する時に、様々な方向に反射音を散らすことです。一般的には、形を凸凹させることで音で散乱させます。平らな鏡は光を散乱させることなく反射しますが、ガラス玉を集めた面では光が散乱します。音でも同じように散乱を発生させることが可能で、強い反射音をソフトにする効果などがあります。
音源に対して障害物が存在する時、直進できない影の部分にも音が回り込んで伝わっていく現象。ローパーティションで囲われた打合せスペースで隣の声が聞こえるなどの現象は、この回折が原因の一つとなってます。障害物に対し波長が長いほど、障害物の背後に回り込む角度が大きくなり、周波数によってその効果は変化します。
平行に向かい合う壁面の間で、音の反射が繰り返されて「ピーンッ」という耳につく音が残る現象。音の反射方向を意図的に変える「散乱」の対策をしていない部屋で生じやすい現象。特に直方体の部屋では起こりやすくなります。
フラッターエコーが顕著に生じている部屋で起きる現象。特定の周波数が強調されるため、音色が変わって聴こえてしまいます。
音の波と波が重なり合い、音が共鳴して大きな波になる、またはお互いにかき消されて小さな波になる現象です。平行している壁と壁の間や、室内に何も無い状態(音を拡散・吸音するものが無い状態)で生じる音響障害の1つです。
低音が不自然に強調されてブンブンと尾を引く様に響く状態。話し声が不明瞭になったり、声や音楽のピッチ感を悪くするなど、音響障害へと繋がります。遮音の良い小さな部屋で、低音域の吸音が不足すると特に目立ちます。
例えば、AさんとBさんが同じ音量で、同じ音程の歌を唄ったとしても、私たちはAさんとBさんの声を聞き分けることが出来ます。ピアノとギターで同じ高さの『ドレミ』を鳴らしても、聞き分けることが出来ます。これは音の「音色」が違うためです。図のように、同じ音程を持っていても、波形が大きく異なるため、この違いによって私たちは音を聞き分けることが可能になります。
音が、特定の場所に伝わるのを防ぐことを指します。例えば、部屋の中で鳴っている音が、部屋の外に伝わるのを防ぐことです。
音は壁などにぶつかると反射されますが、全ては反射されず壁の素材に音のエネルギーが吸収されます。この吸収される音のエネルギー量を強くすることが吸音です。
吸音性能を示す指針のことです。音を素材にぶつけた際、反射されずに吸音される音のエネルギーの割合を指します。「吸音率0」とは、音のエネルギーが全て反射され、全く吸収されないことを示します。
室内の響きの程度を表した数値です。平均吸音率が小さいほど、響きが多い部屋で『ライブ』な状態と呼びます。反対に平均吸音率が大きいほど、響きが少ない『デッド』な状態になります。
実際の部屋で吸音材を使用したことを想定し、測定した吸音率を指します。
音が鳴ってから、音のエネルギーが減衰するまでの時間を指します。最初の音圧レベルから、-60dBになるまでの時間を測定します。(音のエネルギーが1/1,000,000になるまでの時間)
「音」と「響き」が存在する空間の特徴のことです。部屋の大きさや形状、その空間を囲う材料の特性によって「音場」が決まります。その部屋の使用目的に合った、音場を作っていくことを「音場設計」と呼びます。
ガラス繊維の綿状からなる素材で「多孔質型吸音材」の代表的な材料です。中音域から高音域にかけて、優れた吸音性能を発揮します。一方、そのままの使用では低音域での吸音が不足しやすくなります。
リコーダーやフルート、クラリネットの本体のように、空気の流れや外からの音をきっかけにして、中の空気が振動(共鳴)しやすいようになっている管のことを指します。
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