世界をまたにかける巨大ビジネス、自動車産業。日本を拠点としていても、開発から販売までさまざまなフェーズで世界各国と日々コミュニケーションを重ねることが求められる。大手自動車部品サプライヤー・オートリブも、Web会議を日常的に使う1社だ。
ヤマハのUSBスピーカーフォン「FLX UC 500」を導入した使用感を、同社の営業本部ビジネスユニットダイレクターの櫻井智氏さんに聞いた。
オートリブは、エアバッグやシートベルトなど自動車の安全部品を中心に、近年では車載レーダーなども手掛ける自動車部品サプライヤー。スウェーデンの本社をはじめ、28カ国に80の支社・合弁会社を持ち、開発・生産・営業拠点を全世界に展開している。日本法人は1987年に設立され、従業員数は約1600人。横浜の本社をはじめ、筑波、厚木など、工場を含め国内にも複数の拠点を設けている。
「日本法人では、主に日本の自動車メーカーを相手としたビジネスを行っているが、業務はグローバル。海外の姉妹会社との連絡も頻繁にある」――営業本部ビジネスユニットダイレクターの櫻井智氏さんはビジネスの現状をこう語る。
櫻井さんが業務で連絡を取り合う主な相手は、担当する自動車メーカーおよび自社の本社や開発・営業・生産拠点などで、国外はもちろん、国内でも遠隔地となるケースも多い。同社では2012年にLync(現Skype for Business)を導入し、現在は日常的にWeb会議を行っている。
櫻井さん自身がSkype for Businessを使う頻度は1日2~3回程度。最近では、相手先から「いちいち来てもらうより、オンラインで」と申し出があることもあるという。「決まった相手との定例の打ち合わせや報告はWeb会議で十分。『いろいろな場所の相手と会話していたのに、ずっと席から動いてないな』なんていうことも」(櫻井さん)
開発関連の社内会議は、日米欧の3拠点で行うことが多い。各国から40~50人程度が出席する定例会議も毎月あり、Web会議の利用は日常的だ。
時差の関係で日本の深夜や朝の時間帯にセッティングされることも少なくない。社内からPCで――だけでなく、モバイルデバイスを使って参加することもある。櫻井さんも、状況に応じてタブレットやスマホにデバイスを使い分けているという。
1対1のシーンではヘッドセットなどを用いるが、複数人同士の会議ではUSBスピーカーフォンが活躍する。対面でないからこそ、声からニュアンスがくみとれるようなクリアな音質は重要だ。
FLX UC 500は、15センチ四方のサイズに、中低音域と高音域をカバーする大小2つのスピーカーと、360度どの方向からの声もカバーする4基の高性能指向性マイクを内蔵している。マイクに近付いたり、意識してハッキリと話さなくても、何気ない一言や小さな声でも拾い上げる。議論が白熱し、複数人の声が重なると誰の発言か分かりにくい――など、対面では発生しないWeb会議にありがちな問題も、スピーカーフォンを変更し、マイクのグレードを上げることで解決する可能性がある。
普段から高頻度にスピーカーフォンを使用している環境ということもあり、FLX UC 500の導入もスムーズに進んだ。ソフトウェアをダウンロードする必要なくUSBケーブルを接続するとすぐに使える、本体にミュートや音量調整、電話接続/切断ボタンがあり、状況に合わせて臨機応変に変更できる――など、会議のちょっとした手間を減らす機能も充実している。
通信環境の向上やデバイスの多様化で、今後、業種・業態を問わず利用シーンが拡大していきそうなWeb会議。いち早く活用している櫻井さんは、メリットやデメリットをどのように感じているのだろうか。
「人間同士が対面で話すのとは違い、会話が止まった時の“間”の意図はやはり読みにくくなってしまう。逆に言うと、すでに知っている相手との通話であればスムーズ。『この人の沈黙の意味はこれかな』など考えて話をしている」(櫻井さん)
オンラインツールの発展で、コミュニケーションのポイントやコツも変わっていくのかもしれない。
スウェーデンに本社を置く世界最大手の自動車安全システムサプライヤー。世界28カ国に80の支社と合弁会社をもつグローバルカンパニーです。
Website: http://www.autoliv.jp/
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