人材情報サービスを中心にさまざまなサービスを提供する株式会社マイナビ。法人向けの住宅をさまざまな用途に合わせて提供する新しいサービス「マイナビBiz」もそのひとつです。2021年4月1日には新たな業態として、都内2カ所のホテル(新橋、吉祥寺)内に、法人利用を対象とした「PERSONAL SUITE」ブランドのサテライトオフィスをオープン。ニーズが高まっているサテライトオフィス/シェアオフィスビジネスへの参入を果たしました。柔軟な働き方を推進する企業を応援し、従業員のエンゲージメントの向上、企業の採用力強化にも貢献できるサービスです。ホテル内にサテライトオフィスを展開したのは、OTAビジネスで協業関係にあるホテル業界の窮地を救いたいという想いからだといいます。さらに、駅近で立地が良いこと、マネジメントが行き届きより徹底した感染症対策がとれること、ホスピタリティ重視のホテルサービスとのシナジーも考えられるなどの理由もあり、サービスのさらなる充実を図っています。
同社がサテライトオフィスビジネスへの進出を決定したのはオープン半年前の2020年10月でした。そこから、10カ所以上、競合他社のサテライトオフィス/シェアオフィスを見学するなかで、Web会議や電話で心置きなく会話ができ、業務に集中できる1人用ブース(上部がオープンな半個室型)中心の構想が固まっていきました。見学したサテライトオフィス/シェアオフィスのひとつ、野村不動産が展開するシェアオフィスH1Tでは、利用ブースからの会話漏れによる“情報漏洩対策”としてスピーチプライバシーシステム「VSP-2」が導入されていました。サテライトオフィスを利用する企業にとって、“快適で安定利用できるインターネット環境”と“情報漏洩対策など安心して業務できるセキュリティ”の2つは必須条件であり、多くの他社サービスとの差異化ポイントになると考えた同社は、H1Tの設計・工事を請け負った株式会社コバヤシに、VSP-2による“音対策”を含むPERSONAL SUITEの全体設計および工事を依頼することにしました。
2021年4月1日、新橋と吉祥寺の2拠点からスタートしたPERSONAL SUITEは、それぞれにVSP-2+拡張スピーカーVSP-SP2を導入。半個室ブース(ボックス席)間の仕切り壁上部の梁と天井にスピーカーを設置し、天井からのマスキング音を広範囲に流しています。その効果についてユーザからは「隣のブースの音がほとんど気にならないほどマスキング効果が高く、安心してWeb会議や通話ができる」と高評価が寄せられています。Web会議に慣れてくるに従い、徐々にユーザ同士のマナーとして声を張らずに利用するようになったこともあり、当初よりマスキング音のレベルを下げて運用。このほか、スタッフ非常駐で無人の営業形態にあわせ、朝は契約する清掃スタッフが電源を入れ、営業終了時はタイマーで電源を切るなど、日々の運用面も工夫をしています。大手企業を中心に200社以上と契約を結ぶなど順調な滑り出しを見せるPERSONAL SUITE。引き続きホテルとのコラボレーションでサテライトオフィスを展開していく計画です。
株式会社マイナビ 法人ソリューション事業部
執行役員/事業部長 金澤 大 様
労働人口減少にともなう人材不足がさまざまな業種で課題となるなか、テレワークやサテライトオフィス/シェアオフィスなど、働く場所についてもより柔軟に対応していくことが企業に求められており、今後も市場は拡大していくと思われます。サテライトオフィスの設備では、快適でセキュアなインターネット環境に目が行きがちですが、今回のような音対策も情報セキュリティの観点から重要です。今後ますます競争が激しくなっていくなかで、ニューノーマルも意識した“安心・安全”が企業から求められるポイントになると考えており、PERSONAL SUITEではステッカーを貼るなどしてヤマハ製品による音対策をアピールしています。
半個室ブース(ボックス席)間の仕切り壁上部の梁と天井にスピーカーを設置。
マスキング音を広範囲に流し、ブース内の会話や通話が廊下・隣ブースへ漏れないよう対策。
(2021年09月27日 掲載)
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