2022年10月に上野駅では鉄道開業150年の歴史と共に地域の文化と未来を体感できる文化創造イベント『超駅博 上野』を開催しました。その中の企画の1つとして、新潟・佐渡地域の魅力を発信する、大型の液晶を用いた五感体験型のバーチャルイベントを実施することになりましたが、イベントの実施場所が中央改札外グランドコンコースというオープンな場所ということもあり、五感の1つである「音」に関しては、「イベント会場だけに音を届ける」かつ「イベント会場外に配慮した音量」という条件をクリアする必要がありました。通常のスピーカーではイベント会場周囲にも大きな音が漏れ聞こえてしまうため実現が難しく、限定した範囲だけ音を届けるための指向性スピーカーを検討していました。
『超駅博 上野』イベントで協力いただいたパートナー企業の方から、展示会で見かけたヤマハの指向性のあるスピーカー『YFS』が使えそうというお話を伺いました。展示会という賑やかな場所でもスピーカーの指向性と十分な音量が体験できたということで、コンコース内でも使えるのではないかと思い、まずはデモ機を使って実験してみるところから始めました。実験は室内かつ静かな場所で行ったため、反射音の影響から指向性を強く感じることはできませんでしたが、ある程度の環境音が存在するコンコース内で使うとスピーカーの正面以外はあまり聞こえないことを確認し「イベント会場だけに音を届ける」かつ「イベント会場外に配慮した音量」という条件がクリアできました。そのほかにも、YFSの平面スピーカーとアンプがコンパクトなサイズで、設置場所でスペースを取らないこともポイントでした。
新潟・佐渡地域の特産品の販売と併せて行った五感体験は、来場されたお客様にも「臨場感がある」と高評価をいただきました。イベントの準備期間中は試行錯誤しながらスピーカーの設置を行いましたが、お客様がスクリーン前に設置されたマークの上に立つことで、初めて「香り」や「音」を感じることができる仕掛けを想定していたため、イメージ通りの展示を行うことができて安心しています。今回の五感体験の企画をしたチームとしても、YFSスピーカーの指向性に満足しています。
(2022年11月15日 掲載)
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