2019年10月の「デジタル・ファースト宣言」に先立つ形で、自治体業務の効率化に向けてリモートワーク/テレワークの推進を検討していた浜松市。同年6月には、主要施設へのタブレット端末+Web会議ツール配備とあわせ、デジタル・スマートシティ推進事業本部にYVC-300(2台)をトライアル導入し、現場のニーズや活用シナリオなどフィジビリティ・スタディを開始しました。ネットワークについては、自治体情報セキュリティクラウドの制約もあり、自由に庁内・外をつないでWeb会議を実施するといったことが難しいため、タブレット+SIMでキャリア網を介してインターネット接続する方式を採用。Web会議ツールについては複数のサービスを試した結果、低帯域でも安定していたZoomを選定。この際、Zoomライセンスを購入したリセラーから、Zoom推奨モデルとしてヤマハのマイクスピーカー製品を勧められ、デモンストレーションによる品質を確認し、あわせて導入することにしました。
もともと庁内にインターネット接続できる端末が少なく、移動をともなう対面での会議が当たり前になっていたこともあり、トライアルでの利用は思ったほど伸びませんでしたが、2020年以降のコロナ禍で状況が一変します。庁内・外問わず日常業務において3密回避が推奨され、各施設に分散出勤して業務にあたるなど対策を進めたこともあり、非接触型での会議実施ニーズが急速に高まる事態に。小規模でのトライアル用に導入していた機材では到底まかないきれず、急遽2020年7月に、Web会議用の大型ディスプレイのほか、YVC-1000/ YVC-330やタブレット端末などを主要施設の会議室に追加導入しました。比較的大きな会議室に固定設置するYVC-1000(21台)に対し、YVC-300(2台)/330(3台)は小会議室への設置や機器単体で貸し出す運用をしています。
区政を敷く浜松市では、本庁と各区役所、消防局や保健所、教育委員会などの出先機関との会議のほか、市内の業者との打ち合わせ、広く市民を対象としたセミナーなど、年間2,200近くの会議やイベントが開催されます。このうち庁外との会議についてはほぼWeb会議に移行済みで、庁内の会議についてもWeb会議化が進んでいます。Web会議ではタブレット端末をYVCシリーズにBluetooth接続して利用していますが、Web会議開催に向けたマニュアルを独自に整備していることもあり、接続や操作に関する問合せは少なく、音声品質についてのトラブルやクレームの報告も無いと言います。2021年7月にYVC-1000/YVC-330など機器を追加導入した浜松市ですが、コロナ禍で会議やイベントの数が増加傾向にあり、ニーズに応えきれていない状況にあります。今後のニューノーマルを見据えつつ、Web会議による業務効率化で生み出されるリソースで住民サービスの拡充を目指すためにも、さらなる環境整備を検討する考えです。
浜松市
デジタル・スマートシティ推進事業本部
副主幹:星野 仁 様
研修やセミナー、市民の相談業務などにも活用を拡げたい
2019年6月のYVC-300トライアル導入で、この製品が機能・品質ともに求める水準をクリアしていることを確認できていたため、2021年7月の追加導入につながりました。YVC-1000については今のところ単体(拡張マイクなし)で利用していますが、それでも8人くらいの規模なら不足はありません。今後は会議だけでなく、リアルとオンラインのハイブリッド開催が増えてきている研修やセミナーのほか、これまで市民の皆様に庁舎までお越しいただき対面でおこなっていた相談業務などのアウトリーチにも活用していければと思います。また、音声データをテキスト化するAI議事録作成支援ツールの利用にあたり、YVCシリーズのマイクを通すことで、テキスト化の変換精度を高めることができるのではと期待しています。
(2021年09月06日 掲載)
ご相談・お問い合わせ