NPO法人 がん情報局

導入概要

導入機種
PJP-20UR:2台、PJP-25UR(B):7台、PJP-50USB(W):2台
導入時期
2008年10月~2013年8月
基本構成
全国11カ所(2013年9月現在)の医療機関をWeb会議システムで接続。毎月数回、医師・看護師・薬剤師・放射線技師・検査技師などさまざまな専門家が参加する多地点連携カンファレンスを実施し、知識や情報の共有化をはかっている。

全国11カ所の医療機関をWeb会議システムで結び、
がん診療の標準化とチーム医療の推進を実現しました!

PJP導入の背景

がん診療の標準化を実現するために、Web会議システムを活用したシステムを構築。

  • がん治療における情報共有の重要性
  • 遠隔地ゆえの開催頻度の低さが課題
  • Web会議システムで多地点カンファレンスを実現

NPO法人がん情報局様は2005年から、乳がんを中心にがん診療に関する適切な情報を提供するために、様々な活動を行っています。2007年8月には、この活動をさらに系統的に発展・充実させるためにNPO法人設立を申請し、内閣府より認可されました。がん診療にあたっては、標準的な治療方法やその日々の運用についての情報共有がきわめて需要です。そのため従来から医療従事者の研修会やカンファレンスが開催されてきました。しかし医師・看護師・薬剤師などの多職種が一緒に参加することは難しく、また地方で行う研修会は開催頻度が少なく地域間格差も生じていました。こうした課題を解決するために、同法人では2008年からインターネットを用いたWeb会議システムを導入。全国の複数の医療機関を結び、多職種が一緒に参加する多地点カンファレンスシステムを構築し、運用を開始しました。

PJPを選択した理由

全国の医療従事者が簡単に使えるWeb会議システムを低コストで実現。

  • 誰でも簡単に使える操作性が必須要件
  • PJPシリーズの音声品質に高い評価
  • 様々な環境に対応する安定した運用

同法人の多地点カンファレンスシステムは現在、株式会社ブイキューブのWeb会議システム「V-CUBEミーティング」を中心に、Webカメラ(複数メーカー)、マイクスピーカー(ヤマハPJPシリーズ)で構成されています。その選定にあたり特に重視したのが、システムの専門知識がない医療従事者でもすぐに使える容易な操作性でした。新たなプログラムのインストールや難しい設定が必要ないこと。またWebカメラとマイクスピーカーをパソコンに繋ぎインターネットに接続するだけで、すぐにWeb会議が始められることが必須要件でした。特にマイクスピーカーとして選定されたヤマハのPJPシリーズは「音声がとても安定している」「設定の必要もなくトラブルもない」と、高く評価されています。手頃な費用で、安定して運用できる、多職種による多地点カンファレンスが実現したのです。

PJP導入の成果

がん診療の地域間格差是正と、チーム医療の推進に貢献。

  • 場所の制約がないカンファレンス開催
  • がん診療の情報共有に大きく貢献
  • 今後はより多くの医療機関の参加を

同法人が導入した多地点カンファレンスは現在、月に数回、全国の11カ所の医療機関が参加して開催されています。各拠点では、医師・看護師・薬剤師などがWeb会議システムの回りに集まり、パワーポイントを使った症例報告や学会参加報告を行ったあと、双方向での質疑応答や活発な議論が行われています。同システムの導入により、カンファレンス開催の頻度が一挙に高まり、場所の制約がなくなりました。また、がん患者がおかれた様々な状況をふまえた具体的な症例を紹介しあうことで、がん診療の標準化と地域間格差の是正に大きく貢献しています。さらに各拠点で多職種が一緒に会議に参加し、意志疎通を行うことで、それぞれの立場を超えたチーム医療の推進にも役立っています。同法人では今後、参加医療機関をさらに増やし、がん治療により貢献できるカンファレンスの実現を目指しています。

毎月数回、医師・薬剤師・看護師などが集まり、全国11カ所の医療機関を結ぶWeb会議システムで、症例の共有化など活発な議論が行われています。

NPO法人 がん情報局様の声

渡辺亨様

遠隔地を結ぶカンファレンスシステムは、今後の医療のなかで大きな可能性を秘めています。

NPO法人 がん情報局 理事長/医療法人 圭友会 浜松オンコロジーセンター 院長 渡辺亨様

遠隔地にある医療機関を結ぶカンファレンスシステムの可能性には、以前から気がついていました。しかし当時はシステム関連費用が非常に高額で、導入には至りませんでした。今回の多地点カンファレンスは、安価な費用で効果的なシステムが構築でき、大きな成果をあげています。今後、このシステムに参加する医療機関はどんどん増えることでしょう。がん診療だけではなく、内科や外科など他の専門分野にも普及していくと思います。さらに、場所の制約を超えて、セカンドオピニオンを求める患者やその家族とのコミュニケーションに活用するなど、可能性は大きく広がっていると思います。

宮本康敬様

違和感のない遠隔会議のなかで、治療の全体像や患者の背景など、多くの気付きがありました。

NPO法人 がん情報局 理事/医療法人 圭友会 浜松オンコロジーセンター がん専門薬剤師 宮本康敬様

多地点カンファレンスに初めて参加したとき、「これはスゴイな」と思いました。使った違和感はまったくなく、ごく自然に会議に参加していました。いろいろな専門の方々と議論することで、それまでは見えなかった治療の全体像や患者の背景が理解でき、多くの気付きがありました。がん診療には、やはり様々な立場の人の知恵を結集する必要があります。このシステムをより多くの医療機関が導入することを望んでいます。

天野一恵様

看護師にとって、実際の症例を他の医療機関の方々と共有できるのは、非常に良いことです。

NPO法人 がん情報局 理事/浜松医療センター 乳がん看護認定看護師 副看護長 天野一恵様

看護師が院外の勉強会に参加することはたまにありました。しかし実際の症例を、それも他の医療機関の方々と話し合うことは初めての経験でした。看護の課題や悩みを率直に話し合うことができ、非常に良かったと思います。そして共有された知恵は、翌日の診療にすぐに活かすことができます。患者が置かれた状況を深く理解し、より的確な看護を行うことができるようになりました。システムにはまったく詳しくありませんが、とてもスムースに使っています。

多地点カンファレンスシステムの概要

全国11カ所(2013年9月現在)の医療機関には、株式会社ブイキューブのWeb会議システム「V-CUBEミーティング」、Webカメラ(複数メーカー)、マイクスピーカー(ヤマハPJPシリーズ)が導入されています。参加者が多い拠点では、プロジェクターとスクリーンにより、パソコン画面上の参加者やパワーポイントの資料が映し出されます。

参加する各医療機関は、がん情報局が作成した簡単な資料と電話により、簡単にシステム導入を行っています。難しい設定や専門知識は不要で、誰でも容易にWeb会議システムに参加することが可能です。

組織概要(2013年9月現在)

特定非営利活動法人(NPO)がん情報局

目的
患者及び一般市民をはじめとして学生、医療関係者、マスコミに対して、がん及びがんに関連する医療の正しい情報の提供と、臨床試験を支援する事業を行うことによって、すべての人々が十分な情報を享受することにより、納得した治療を受けることが出来、健やかに暮らせる地域社会づくりと福祉の増進に寄与することを目的としています。
沿革
2005年:浜松乳癌情報局発足、2007年:NPO法人がん情報局認証
代表者
理事長:渡辺亨(浜松オンコロジーセンター 院長)
所在地
浜松市中区中央3-6-13 浜松オンコロジーセンタービル2階
事業内容
情報提供事業(市民公開講座、フォーラム、患者相談会、乳がん啓発活動)、教育事業(カンファレンス、専門職対象勉強会、医療従事者対象研修会、海外派遣プログラム事業)、外部治験審査委員会審査受託事業
Webサイト

(2013年10月31日 掲載)


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