「Be a top learner!」を校是に掲げ、人間教育、科学教育、国際教育を柱とした6年間の中高一貫教育を特色とする茨城県立並木中等教育学校。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校として科学教育を推進し、次代の発展を担う人間力を備えたグローバルリーダーの育成に注力しています。授業においては、80文字の2つの文章(+接続詞)で自分の考えを表現する独自の「R80」やディベートを含む「話し合い活動」のほか、“教わるより教える方が勉強になる”という考えに基づき上級生が下級生に教える「TO(Teaching Others)学習」や、複数の教科を横断して多面的に学ぶ「クロスカリキュラム」などの試みを積極的に導入。アクティブラーニングによる主体的・対話的で深い学びの実現を目指しています。同校は5年ほど前からICT活用にも積極的に取り組んでおり、ICT領域に詳しい先生を中心に、授業のオンデマンド配信や外部講師とつないで実施するオンライン授業、リモートで実施するグループワークなど、多様な形態のオンライン授業を進めています。
2020年春のコロナ禍当初は、前もって録画された授業の動画を生徒が自宅でオンデマンド視聴する形で対応しましたが、一方通行のこの方式では、先生が生徒の様子を見ることができないため、きちんと視聴しているか、どの程度理解できたのかなどを把握することが難しいという問題がありました。このため2020年の夏休み以降は、授業から取り残される生徒が出ないよう、リアルタイムで双方向のオンライン授業主体に切り替えることに。この間、数次にわたる緊急事態宣言の発出・解除に対応し、さまざまな形態で授業をおこなうことで“学びを止めない並木”を実践してきましたが、教室内のディスタンスを確保して実施する校内配信の授業で、離れた教室にいる生徒たちが先生の声を聞き取れないなど音声品質の課題が顕在化。このほか、外部の講師と教室をリモートでつないでおこなう双方向のオンライン授業では、教室内で発言者に都度マイクを渡すために円滑な授業が妨げられ、課題となっていました。
校内配信の授業では、先生が生徒のいない別の教室でハンドマイクを使用して授業をおこない、その音声をPC内蔵マイクで拾って、生徒がいる各教室に流していましたが、ハウリングが発生するなどして聞き取りにくい状況でした。2021年4月、この問題を改善するためにYVC-1000と拡張マイクYVC-MIC1000EXを1セット導入。先生はハンドマイクを使用することなくハンズフリーで授業に集中でき、音声に関してはYVC-1000の優れた集音性能により、生徒がいる教室にハウリングのない聞き取りやすいクリアな音声を届けられるようになりました。また、外部とつないでの双方向のオンライン授業の際はYVC-1000+YVC-MIC1000EXを利用することで、教室内の隅々まで生徒の声を拾うことができ、マイクを回す必要がなくなったスムーズな授業運営を実現しました。小型軽量で可搬性にすぐれ、セッティングも容易なYVC-1000は、同校のオンライン授業になくてはならない存在となっており、今後、国内および海外の姉妹校とのリモートでの交流にも活用していく計画です。
茨城県立並木中等教育学校 学校長 井坂 孝 様
茨城県立並木中等教育学校 教諭 廣瀬 優也 様
姉妹校とのリモート交流など活用シーンの拡大に向け追加導入を検討
2021年7月には、なお一層の指導力強化に向け、アクティブラーニングやICTの活用をテーマに、教員同士これまでの取り組みの成果をデモンストレーションする校内研修「授業の並木・3Days」を実施しました。今後ICTを活用した授業の可能性を追求していくなかで、YVC-1000のような機器のニーズは一層高まっていくと思います。現在は1台をやりくりしていますが、バッティングして調整が必要になるケースもでてきており、近い将来、台数を増やす必要がありそうです。その意味でもヤマハにはよりコストパフォーマンスの優れた新製品の開発・提供もお願いしたいところです。
(2021年12月17日 掲載)
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