ひとつの論題について肯定と否定の2チームがディベートを展開し、第三者を説得する「パーラメンタリーディベート」。世界の教育現場で広く採用されるなか、国内の教育機関の授業フォーマットにあわせ、50分間で完結する「即興型英語ディベート」を開発し、全国の中学校・高等学校を対象とした体験会や、年に一度の全国大会開催などを通じてパーラメンタリーディベートの導入・普及を進めるのが、一般社団法人パーラメンタリーディベート人財育成協会(以下PDA)です。
折しも、文部科学省が「新しい学習指導要領の考え方(2017年)」で掲げるアクティブラーニング推進の方針とも合致。2022 年度から高等学校の外国語科(英語)で、ディベート・ディスカッションによるコミュニケーション力強化を目指す新科目「論理・表現 Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」がはじまることもあり、PDA事務局への問い合わせが急増しています。また、音声中心で進行するディベートはWeb会議などオンラインツールとの親和性が極めて高く、実際に2020年以降の体験会や全国大会は完全オンライン対応となっています。コロナ禍によるオンライン授業の急拡大もPDAの活動を後押しし、現在、学校会員も増えてきています。
PDA運営の第6回 即興型英語ディベート大会(2020年開催)に参加する熊本県立八代高等学校の様子
※YVC-1000を使用
PDAでは2014年の一般社団法人設立以前より、全国の中学校・高等学校を訪問し、即興型英語ディベートの実施運営について教員を指導するための「体験会」を毎週のように実施していました。体験会では、40人のクラスを4人対4人の8人✕5グループに分け、各グループを担当するジャッジ(PDA認定教育ジャッジや大学生等)をつけて指導にあたりますが、5名のうち実際に学校に訪問するのは1~2名で、残りのスタッフは各地の大学などからリモートで参加していました。
当時、ほとんどの学校にインターネット接続できるPCがなかったため、事務局からモバイルルーター+ノートPCなど必要な機材を事前に送って利用していましたが、PC内蔵のマイクやスピーカーの性能に限界があり、リモートで参加する指導スタッフ、教室にいる生徒・教員ともに、お互いの声が聞き取りにくいという問題が。この問題を解決するためにPDAが導入したのが、ヤマハのマイクスピーカーYVC-1000およびYVC-300でした。
ヤマハに相談しYVCシリーズのデモ機を借りて試したところ、音声の問題を解決できることを確認したPDA事務局。早速YVC-1000およびYVC-300を導入し、PCやモバイルルーターなどと一緒に利用することでスムーズな体験会運営を実現しました。その後、体験会のリクエストが増えるに従い、最新モデルのYVC-330などを順次追加し、最終的に全部で10台のYVCシリーズを導入しています。
一方で体験会実施が増えるにつれ、体験会の度に機材一式を事前に送り、終了後に回収する手間やコストが事務局にとって大きな負担となってきました。そこで、必要な環境や機材について問い合わせのある学校に対し、YVCシリーズを標準モデルとして推奨していった結果、学校側でインターネット環境やPCなどとあわせYVCシリーズを導入するケースが徐々に増加。事務局の負担軽減につながっています。
GIGAスクール構想のインフラ整備を終えた2021年4月以降、全国の自治体(教育委員会)から研修実施の依頼が増加していますが、こうしたニーズに対応していくには事務局だけでは限界があります。移動をともなわず、各学校とPDA事務局、そして全国に散らばるPDA認定教育ジャッジをつないだオンラインでの指導・サポートが重要で、その際にスムーズな実施・運営を実現する上で、YVCシリーズはますます欠かせない存在となりそうです。
八代高校では即興型英語ディベート大会でYVC-1000を使用
一般社団法人 パーラメンタリーディベート 人財育成協会
代表理事 中川 智皓 様
導入したYVCシリーズを学習系と校務系の両方でフル活用する学校も
PDAでは、生徒達が社会に出たときに必要となる、自分の考えを相手に分かりやすく伝え説得する力を高めるために、教育機関への即興型英語ディベート導入を進めています。一般社団法人設立前を含め過去10年間で1,000校以上に紹介、おかげさまで会員数も全国大会参加校数も増え続けています。最近は即興型英語ディベートに対する理解も高まり、会員ではないけれど自校で工夫し授業で採り入れているというケースも少しずつ増え、地区ごとの大会も開催されています。離れた学校同士のオンライン実施では音声品質が大変重要で、YVCシリーズのような製品は効果的です。実際にYVCシリーズを導入した学校では、学習系だけでなく外部とのWeb会議など校務系でも活用していると聞いており、オンライン時代の教育機関に欠かせないツールと言えるかもしれません。
(2021年10月05日 掲載)
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