東京大学 教養学部・大学院総合文化研究科

東京大学 教養学部・大学院総合文化研究科

導入概要

導入機種
YVC-1000/40台
導入時期
2020年8月、2021年3月
基本構成
対面参加とリモート参加が混在するハイフレックス授業にてYVC-1000を導入。専用集音マイク1台を基本とし学生数と教室の広さに応じてマイクを追加。YVC-1000に教員用ハンドマイクを接続。7教室では既存の音響設備を外部スピーカーとして利用。

YVC-1000など独自の“ハイフレックス授業パッケージ”で
2020年秋学期からの対面授業一部再開を実現

対面授業の再開で、対面参加とリモート参加が混在するハイフレックス授業が必要に

  • 2020年春学期の全面オンライン授業を経て、同年秋学期から一部対面授業の再開を決断
  • ハイフレックス授業では、対面参加とリモート参加で差異のない“学びの質”が大前提

駒場Ⅰキャンパスに、1・2年生全員(約6,600名)のほか、3・4年生(約500名)、大学院生・研究生(約1,300名)が集い学ぶ東京大学 教養学部・総合文化研究科。2020年4月からのSセメスター(春学期)は、新型コロナ感染症対策でやむを得ず100%オンライン授業としましたが、1年生を中心に対面授業を望む声が多数寄せられたこともあり、同年6月には、10月からのAセメスター(秋学期)で対面授業の一部再開を決定しました。対面授業の再開にあたっては、キャンパス内での“密”を避けるため、1・2年生の登校数が2,000名以下になるよう授業を制限し、それ以外はオンライン授業を継続することに。一方で再開する対面授業についてもリモート参加を希望するケースを認めることにしたため、対面参加とリモート参加の両方に対応するハイフレックス授業への対応が必要になりました。ハイフレックス授業では、リモート参加の学生に疎外感を感じさせることなく、同じ質(情報量)の授業を提供することが求められます。視覚情報については、教室内の学生達や教員のカメラ画像をリモート参加のPCに映しつつ、板書を排しスライド資料を共有することでクリアしましたが、問題は、教員とリモート参加の学生、あるいは、対面参加とリモート参加の学生同士の音声コミュニケーションをいかにスムーズに実現するかでした。

ハイフレックス授業の様子

ハイフレックス授業の様子

YVC-1000やハンドマイクなどからなる“ハイフレックス授業パッケージ”を用意

  • 教室内の教員や学生とリモート参加の学生の間で一体感のある音声コミュニケーションを実現したい
  • YVC-1000や教員用ハンドマイクなど一式を収納した“ハイフレックス授業パッケージ”を25セット用意

たとえば語学のハイフレックス授業は1クラス20~40人(うち多くて数名がリモート参加)で、教員による講義のほか、学生による発音練習、学生同士の会話練習などで構成されます。このため、教員や教室内の学生の声をリモート参加の学生にしっかり届け、逆にリモート参加の学生の声を教室内の全員で共有するうえで、十分な音量とクリアな音声を実現する必要がありました。
2020年3月の教授会でYVC-1000を使用した際に、教授会用の広いスペースにリモート参加の教員の声をしっかり届けることができたため、対面授業の一部再開を決断した6月以降は、YVC-1000をハイフレックス授業の機材候補として本格的に試用。その結果、既存の音響設備との干渉によるハウリングなどもなく、音質の良さも十分実感できたことから、2020年8月、YVC-1000✕25台の導入が決まりました。YVC-1000のほか、教員用のハンドマイク(YVC-1000のAudio-INに接続して使用)やWebカメラ、ケーブル類などをバッグに詰めた“ハイフレックス授業パッケージ”を25セット準備し、これを都度教室に持ち込んで利用する仕組みとしました。実際には教員がリモート参加の授業もあり、この場合はTA(ティーチングアシスタント)が“ハイフレックス授業パッケージ”を教室に持ち込みセッティングしたうえで授業をおこなっています。

YVC-1000やハンドマイク、webカメラが入った“ハイフレックス授業パッケージ”

YVC-1000やハンドマイク、webカメラが入った“ハイフレックス授業パッケージ”

ハイフレックス授業パッケージ”は授業用機材準備室にて管理

ハイフレックス授業パッケージ”は授業用機材準備室にて管理

操作性のほか、ハンドマイクや既存音響設備接続など拡張性を高く評価

  • 簡単でシンプルなセッティングと操作性、既存音響設備との接続性も選定のポイント
  • 学生数に応じ拡張マイクを追加接続することで、ディスタンスを確保しつつ広い教室の隅々まで集音

機器の扱いに不慣れな教員でもセッティングや操作が容易であったことや、PCはもちろん、教員用ハンドマイクや教室内の既存音響設備との接続性もYVC-1000選定の決め手となりました。2021年3月には“ハイフレックス授業パッケージ”の運用に余裕をもたせるためにYVC-1000✕15台を追加導入。教室内に設けられたマイク入力ポートとYVC-1000の外部スピーカーポートを接続することで、既存の音響設備を利用できることが確認できた約30教室のうち、ハイフレックス授業が毎週行われる7つの教室にはYVC-1000を常備し組み合わせて利用することに。その他の教室については、引き続き都度“ハイフレックス授業パッケージ”を持ち込んで利用しています。また、YVC-1000は専用の集音マイクを最大5台まで増設できることから、学生数や教室の広さに応じ臨機応変に集音マイクを追加することで、教室内の人の間のディスタンスを確保しながら隅々まで集音しリモート参加の学生にクリアな音声を届けています。

教室内に設置された既存の音響設備

教室内に設置された既存の音響設備

マイクの入力ポートは黒板下に設けられている

マイクの入力ポートは黒板下に設けられている

お客様の声

東京大学 大学院総合文化研究科 東京大学 大学院総合文化研究科・准教授
2020年度学部長補佐 角野浩史 様

面倒な設定・調整なしに、誰でも簡単に使えるのが最大のメリットです

ハイフレックス授業導入に際しては“オンライン受講する学生を取り残さない”を目標に、必要な機器を選定し運用形態を模索してきました。YVC-1000によって音声コミュニケーションは一定のレベルを実現しましたが、話している教員や学生の表情をリアルタイムでZoomに配信することができず、オンライン受講の学生にとって、視覚面において教室内の学生との感覚のギャップはまだまだ大きいと思います。マイクとカメラが連動して音声を発している人物を映し出す製品などが登場するといいですね。YVC-1000に関しては、外部入力・出力や増設用の集音マイクといった拡張性に優れている一方で、単体でも十分な機能を有しており、どんな教室でも同じ機器で対応できるという点が選定のポイントでした。また、基本的につなぐだけで面倒な設定・調整なしに使えるのがよいと思います。全ての先生方がそのあたりに慣れているというわけではありませんので。

東京大学 教養学部・大学院総合文化研究科様におけるYVC-1000の活用方法

  • 教師はYVC-1000に接続したハンドマイクを利用
  • 学生数と教室の広さに応じ、専用の集音マイクを1~2台接続し利用
  • 7教室については、教室のマイク入力端子に接続し既存音響設備を併用
東京大学 教養学部・大学院総合文化研究科 様におけるYVC-1000の活用方法

東京大学 教養学部・大学院総合文化研究科様の概要

所在地
東京都目黒区駒場3-8-1
学部長
学部長・研究科長:森山 工
学生数
8,436名(学部学生(前期課程)6,632名 /(後期課程)507名、大学院生1,195名、研究生等102名)
教職員数
2,154名
Webサイト
※2021年5月1日現在

(2021年11月11日 掲載)


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