港区では、住民サービス向上のための時間を創出すべく、RPA導入による業務効率化など先進的なICTの積極活用に取り組んでいます。5か所ある総合支所などの担当が会議のたびに本庁舎に集まらなくてもいいよう、早くからWeb会議を導入・利用してきましたが、大人数が参加する会議室側では“全員の声をまんべんなく拾うことができない”というマイク性能の課題がありました。また、300近くに及ぶ会議体の議事録作成業務を効率化するため、株式会社アドバンスト・メディアのAI音声認識技術を活用した議事録作成支援ツールを導入していましたが、会議の人数や外部マイクの収音性能によって、生成されるテキストの精度にバラつきが出てしまうという問題にも直面していました。これらの課題・問題をまとめて解決したのがYVC-1000でした。
Web会議の音声品質改善に向けて、多人数が参加するケースの多い本庁舎にてマイクスピーカーを導入することにした総務部情報政策課。参加者全員の声をしっかり収音し、クリアな音声を届けることのできるマイクや各拠点参加者の声をクリアに再現するスピーカー性能のほか、会議室に持ち運びできて多様な規模・テーブルレイアウトに対応する柔軟性などを要件として製品選定を進めました。その結果、YVC-1000の音声品質や、マイクを5台まで接続できる拡張性などを評価し、2017年夏に2セットを導入。同課の管理下で本庁舎内にて貸し出しをすることにしました。その後、本庁舎および各拠点にYVC-300を追加導入し、最近は“働きやすい職場づくり”に向け試行的に実施しているテレワークでも活用が拡がっています。
現場に大きな負担を強いていた議事録作成業務の効率化に向け導入した議事録作成支援ツールですが、当初組み合わせて利用していたバウンダリーマイクは収音性能に問題があったため、自動作成されるテキストデータは日本語の文章としての完成度があまり高くなかったといいます。高性能なマイクを参加人数分用意して認識精度を高める方法では、高価なアンプやミキサーなど大掛かりなシステムが必要で、要件としていた持ち運び利用が不可能になります。そこで、Web会議用に導入していたYVC-1000のマイク機能を利用してみたところ、作成されたテキストデータの完成度が著しく向上したことから、2018年11月と2019年11月にYVC-1000+拡張マイク各1セットを議事録用に導入。マイクの性能は音声認識の精度に直結し、精度が低ければ手作業での修正に時間がかかり効果が半減してしまいますが、YVC-1000の高い収音性能により軽微な修正作業で済み、議事録作成業務のさらなる時間短縮に繋がりました。
東京都港区
総務部 情報政策課長
若杉 健次 様
活用定着・促進のためのノウハウを他自治体に提供していきたい
AIやRPAなど先進的なICT活用を先駆けて進める港区には、年間数十におよぶ自治体が視察に訪れます。
そこでも議事録の自動作成は注目の的で、自治体共通の悩みの種になっていることがうかがえます。議事録作成支援ツールもWeb会議システムも導入して終わりではなく、活用を定着させるためのサポートが欠かせません。こうしたノウハウを含め他の自治体に広めていきたいと思います。
「株式会社アドバンスト・メディアの議事録作成支援ツール」について
株式会社アドバンスト・メディアはAI音声認識技術「AmiVoice」を活用した議事録作成支援ツールを各種提供されています。オンプレミス環境で導入できるシステム、クラウドで利用できるサービス等複数のラインナップをそろえており、お客様毎に音声認識エンジンを個別に構築して認識精度を向上させる機能を保有しているのが特長です。議事録作成の工数削減に取り組む190以上の自治体で導入されています。
(2020年02月13日 掲載)
ご相談・お問い合わせ